そのときだった。


「昇降口んところで潤也先輩と彼女がもめてるぜ!!」

息を切らせながらあたしにそう伝えるのは、隣の席のトシ。
もちろんじゅんちゃんの事を相談していて、よくアドバイスをもらっていた。


「・・・え?」

トシなんて言ってるのか、その言葉の意味が理解できない。



「だーからあ!潤也先輩カップルが別れるかもってこと!!!」


・・・別れる?誰と誰が??



「やったじゃん!エナ、チャンスだよ!!」

そう言ってリコはあたしの肩を乱暴に揺らした。