神消し

  〜加賀の一週間〜  博の部屋の窓から自室に戻った加賀は、毎週観ているお笑い番組をはじめて見忘れた。
一階から聞こえる両親の爆笑すら加賀の耳には届いていなかった。
それほど加賀は話の内容をまとめるのに頭をフル活動させていた。
加賀(なんや、ともかく由清ちゃんが人間やないのはわかったで。博やんとカズキっちが妙に早く納得しとったんもきっとあないな現象みたからやな?それにしても今の世でここまで非科学的なんは有りなんかッ!?俺の人生どぅなるんや?そら普通の人生よかちょいとぶっ飛んだ人生のがえぇねんけど…。さすがに危険すぎるやろ〜…。せやかてカズキっち一人放るわけにはいかんしなぁ。)
博のことなどすっかり忘れている。
加賀(顔はキレイやけど由清ちゃんが女言うのも怪しいし。まだカズキっちのが女に見えるしなぁ…。ちゅーか今日は美人二人も見れてラッキーやったわぁ!!初回から思いっきし親密度も高かったしなんかツいとるでッ!!)
加賀の思考は一所で収まるものではなく、時間が経つにつれてどんどん路線が変わっていった。
最終的には由清の話など忘れ、携帯にかかってきた友人との電話に盛り上がっていた。