「…はい、コレ。大丈夫?」

「……」

少女が顔を上げた。

(…大学生ではないかな?高校生くらいか?)

「……」「……」

(…何で受け取らないんだ?口もきかないし…もしかして喋れないのか?)

「…あの…コレ、鏡。君のだろ?」

「……」

(気まずい…らしくないことするんじゃなかった)

「…綺麗」

「え?」

「綺麗な目してるね!」

「……?」

(綺麗な目って…俺のこと…?)

ゴーン!ゴーン!

「あっ!鐘なった!」

「鐘?」(チャイムのことか…?)

「もう帰らなきゃ!じゃーね!」

少女は一目散に走り出した。

「えっ!?ちょっちょっと!コレ、鏡!」