「いいだろ!減るもんじゃなし!だいたい沙夜のため…

「何やってんのよ…あんた達」

「沙夜!男共はっ!?」

「男?…あぁ!さっきの?あんなの、軽~くあしらったわよ!」

「ホラ見ろ。コイツに助けなんかいるかよ」

「…この減らず口!」

「男女」

「妖怪顔だけ!」

「何だよ。ソレ」

「ふんっ!こっちの話よ!」

「はぁ~でも沙夜が無事でよかったよ!男は狼なのよ~♪気を付けなさ~い♪だぞ!」

「…ピンクレディ?」

「古っ!」

「あはは!でも大地ありがと!」

「いやいや☆」

分かりやす過ぎる大地の態度。

当の本人は全く気付かないまま。

(まぁ沙夜も、自分の事には疎いからなぁ……ん…?)

「……?」

「きょん!オレ達、飯買って来るから、ここで待ってて」

「…あぁ」

「あんたもう食べ終わってるじゃない?コーヒーか何かいる?」

「…あぁ」

「……」「……」

大地と沙夜は顔を見合わせた。

「…きょんがまたトリップしてるよ…」

「ホント変なヤツ…!お腹すいた!大地行くよっ」

「うっうん…」

(何してんだあの子?さっきからウロウロして…
あっ!そのまま後ろ向きで歩いてったら、ぶつかるって…)

「!?」

(ほら、ぶつかった!あ~ぁ、荷物がバラバラだよ。
俺には関係ないけど)

「……」

(…トロイ子だな…直してる側からまた落としてるし)

思わず体が動いていた。

今までの僕ならあり得ない行動だった。

「…響?どこ行くの?」

「きょん?」