「オレの玉子焼き返せー!!」

「残してるから食われるんだろっ!自業自得だ!」

「楽しみに取っておいたのにぃ!って言うか、きょん!オレが好きなモノ最後に食べるの知ってるだろー!?」

「知るかっ!俺はそんな「大地マニア」じゃねーの!」

「マニアの癖にぃ☆」

「……」

「あーっ!ウィンナーまで食べやがったぁぁ!」

「おー!美味い、美味い」

「きょん!お前マジでふざけんなよ!オレ食べるもんねぇじゃ~ん!」

「コレ、やるよ」

「ギャー!キャベツ嫌ーい!」

「大人しく食べなさーい!!」

ピンポーン!ピンポーン!

この騒がしい家に、チャイムが響き渡る。

「あら?沙夜(さよ)ちゃんかしら?遊んでないで、さっさと食べちゃいなさいよ!」

「ふぁーい」

朝食を口いっぱいに含み、僕達は返事をした。




「はいはーい!」

ガチャ!

「おはようございます!」

「やっぱり沙夜ちゃんだったのね!相変わらずうるさいでしょー!」

「バッチリ外まで、声が響いてました…」

「もぅ!ほんっと恥ずかしいわぁ!大学生にもなって、何であぁなのかしらねぇ」

「私からも、また注意しておきますね」

「お願いねぇ。沙夜ちゃんが居てくれてよかったわぁ♪」

「いえいえ」

「響ー!大ちゃん!沙夜ちゃんが来てくれたわよー!早くしなさい!」

「ふぁーい!!」

「…あの返事。まだ口の中にモノが詰まってる声よね?」

「あはは」



「大地!お前、カバンは?」

「あるある!ホラここ☆きょん定期持ったか?」

「持ってる」

「よし☆行くか!」

騒がしい朝食を終えて、ようやく大学へと向かう。

母さんも朝から大変だよなぁ…



「おばさん!朝ごはんありがとう!いってきまーす☆」

「はーい!いってらしゃい♪」

「じゃっ、いってきます」

「響!忘れ物はない?」

「ねーよ…」

「よしっ!3人共、車に気をつけて行くのよー!」

「…車って。。俺達いくつだよ…」

「あはは☆」

こうして今日も何気ない1日が始まる…はずだったんだ。