記念するべき1日の朝食を食べているときに母親が

「高校生になったんだからあまり心配かけないでね。」

と苦笑しながら言った。

「わかってるよ。」
と、当たり前のように返答したが、

中学時代のことを思えば母親が心配するのも無理はない。

いつもどおり、コーヒーに砂糖を一つだけ入れてスプーンでかき混ぜた。

コーヒーとトーストを順番に口に運ぶ。

「心配はかけないよ」

母親を安心させるためにそう言いなおす。