「冴子さん。あなたには一樹を変えてくれた事には感謝します。ただ、付き合う事には反対です。」 ハッキリとした口調だった。 「一樹は会社の跡取りなの。それ相応の相手じゃないとダメなんです。分かりますよね?」 私はうつむく事しか出来なかった。 初めは良い人だと思ったのに…。 まさかこんな事言われるなんて…。 「せめてクリスマスは一緒に過ごさせてください…。」 私の精一杯の言葉だった。 「まあ良いでしょう…。クリスマスが過ぎたらきちんとお別れしてくださいね?」 「はい…。」