慌ててブラウスのボタンを留めている間、殴っているような音が聞こえた。
見ると、トモが小野くんに殴りかかっている。
小野くんの顔には大きなあざが出来ている。
「...トモ、やめて?もう、いいよ」
「...ん」
トモはそのあともう一発殴り、
「愛にもう手を出すなよ!!」
と脅した。
小野くんが慌てて屋上から出て行くと、トモはアタシに近づいてきた。
「...呼び捨てにすんなって、言ったじゃん」
「ん」
「タメ口もやめろっていったじゃん」
「ん」
「後輩のくせに...」
目に涙が浮かぶ。思わず下を向いたら、トモに抱きしめられた。
「愛、好きだよ。『番長』でも、『女の子』でも」
「うぅっ」
「守ってやったんだから、今はこうしていさせて?」
そこで、アタシは耐えられなくなった。


