｢そう、ですか｣
女はふわりと微笑むと自己紹介を始めた。
｢あたしの名前は結愛。結愛って呼んで下さいね。年はあなたの１つ下です｣
｢分かった。俺の事も空、でいい。…でも、必要以上に俺に構わないで欲しい。俺の事を監視しなくちゃいけないのならすればいい。だけど俺に干渉はするな｣
俺の言葉少し目を丸くした後、女はフフッと笑った。
｢干渉？もちろんさせていただきますっ｣
｢…は？｣
｢だって、せっかくあなたと出会う事がもう一度できたのに、なんにもしないなんてもったいないですもん！｣
もう一度…？
｢もう一度…って俺はお前に会った事はないけど｣
｢あっ！言葉のあやです！あまりおきになさらないで下さいっ｣
また女が笑う。
ふんわり、綺麗な花が咲いたように。
本当にコイツ、死神なのか？と疑ってしまうような笑みだ。
よく、分かんないなぁ…コイツ。
これ以上、コイツに何か言っても無駄なような気がする。
…まぁ、いいか。
俺がシカトすればいいだけの話。
俺は｢俺はシカトするからな｣と呟きため息をついた。
はあぁ…、ほんと、なんなんだよ。
余生くらい自由に生きたい。
