「え…」
女が目を大きく見開く。
「……だから、今、死のうかって、言ってんだけど。誰かに監視されるのなんてごめんだし」
「…だめ…ですっ!!」
今度は俺が驚いた。
女がいきなり大きな声を出し、立ち上がったからだ。
「あなたは分かってませんっ!!一週間でも、長く、1日でも長く、生きたいと思う人の気持ちが分かってません!…確かにあなたは一週間後この世の理から離れる。だけど…っだからこそ、のこりの一週間を精一杯生きて欲しいんです!!」
女の目から涙がポロポロ溢れ出した。
「…どうして…っあなたは………っ変わってしまったんですか…?」
小さく、呟いた女の声がやけに俺の胸に響いた。
「どういう事、だよ」
俺が変わった、なんて…普通、俺の前の姿を知らないと言えない言葉だ。
「…あ…」
女は、しまった!というような顔をすると急いで「何でもありませんっ」と俯いた。
腑に落ちない。
この女、何か隠している。
そう思ったが、今はまだこの、妙な女の動向を観察する事にした。

