「……気付くのおそっ……」

「へ?なんか言った??」

ボソボソって言ったからよく聞こえなかった…


「まぁ、とりあえず頑張れ☆」

あ 流した

まぁお姉ちゃんはこんなキャラだしね。いつものことだ。

「あ そだ」


お姉ちゃんは、何かを思い付いたか思い出したようなかんじに両手を胸の前で叩いた。

胸の前で両手を叩く仕草は、お姉ちゃんが何かを思い付いたりした時の癖でもあるから、何か企んでるなぁ、とわかる。変なこと企んでないといいけど……


「そういえばアキラね、独り暮らししてて、料理できないからいっつもお昼が購買とかなんだって!たまにバイト先で余ったやつくれるって言ってたけど……
ミーナ、アキラにお弁当作ってあげれば!?」


おっ……お弁当ですと?

いや…あの…いい案だよね、うん。ものすごいいい案だと思う…思うけど!


「…………お姉ちゃん…アタシ、料理作れないんだけど………」

料理は…なんかもう………“料理オンチ”ってくらいヤバいんですけど…


「え?そだったっけ?
いや、でも…お弁当くらい大丈夫じゃ…」

「いや!無理!だってチョコもまともに作れないんだよ!? ホットケーキミックス使ったホットケーキつくっても炭みたいになるくらいなんだよ!!?
無理!絶ッッ…対無理ぃぃいい!!」


作ったら好かれるどころか絶対ドン引きされて嫌われちゃうって!!(泣)

あ〜でも……接点作れるし…作りたいし〜!!でも消し炭になる!!!


そんなことを思っていたアタシに、お姉ちゃんは笑顔で言った。

「じゃあさ、あたしと一緒に料理の練習しようよ」

「………ふぇ?」