アナタならどうする?
 
もし自分の目の前で想いを
よせているヒトが
前兆は有ったにせよ
忽然と消えてしまったら… 
 
 
アナタならどうなる?
 
アナタならどうなってしまう?
 
 
 
ソレが起きるまでは
ネイチェルは町一番と言っていいほど活発で面倒見の良いヒトだった。
 
 
 
―「 相談にのってくれるかい?
 ネイチェル 」
 
 どうしたんだい?
 
「 隣町でキツネが悪さして
 困ってるんだってさぁ。
 なにか良い考えないかい?」
 
 それなら罠用の鉄格子造って
 あげるよ。小型ので良ければ
 三日で五個造れる 
 
「 本当かい!?
 それは隣町の人も喜ぶ! 」
 
 
 カーン!カツーン!カツカツカーン!
 
 
 
―「 ちょっとネイチェルや‥
 この鍬調子悪いんじゃが…
 診てくれんかのう? 」
 
 見せてみて
 …あ~‥ 鍬の先が
 外向いてる
 打ち直してあげるよ
 
 
 カーンカーン!カツーン!
 
 
「 助かったよ ネイチェル
 これで田畑も早く耕せる
 ありがとうよ 」
 
 お礼はいいって!
 困った時はお互い様だろ? 
 
 
―「 やったわね ネイチェル!
 皇帝が直々に
 剣を造って
 ほしいだなんて! 」
 
 嬉しいけど…
 人殺しに使うんであれば
 悲しい‥
 
 
そんな悲しい事が嫌いな
ネイチェルが哀しい現実に今も
打ちのめされている…
 
 
ミシェリが奈落の底に墜ちたのは一年前…。
 
 
今でも夢の世界にその時の出来事が漠然と現れる。