紀元前6世紀…
中世ヨーロッパ…
 


  カツーン! カツーンカツーン!
 
ネイチェルは古びた都市で
鍛冶屋をしていた。

 カツーンカツーン! カツーン!

今日も町中にハンマーの音が
響きわたる。

 
 カランカランカラ-ン
  
鐘鈴のついたドアを開ける音。
 
 
「 ネイチェル 毎日毎日
 精が出るネェ。
 朝 ブレッドを焼いたから
 良かったら食べておくれ。
 
…ココに置いておくよ 」
 
         カランカランカラ-ン
 
 
オシャレなヒジャブを被った女性が
鍛冶屋から出ていく。
 
毎朝焼きたてのパンを持って
きてくれる女性にお礼の一言も
言わないネイチェル‥
 
ましてや挨拶さえも。


 
喋れないわけではない。
具合が悪いわけでも…
 
これは具合が悪いの部類に入るのだろうか…
 
ココロを閉ざしてしまっている‥のだ。