君がいた…

「置いて帰るって…
なんで そう思うんだよ。」

宏史の問いに

母親は

「だって…あっちは
本当の家族なのよ?」

涙でぐちゃぐちゃな目を宏史に向けて

答える母親…

「本当とか…そんなの関係ねぇだろ?」

両手で

母親の涙を優しくぬぐいながら話す宏史

「なにが関係ないのよ?」

息子に涙をぬぐわれているのに

それが

当たり前かのような母親は

すねた子供のような目で宏史を見ながら言う。

「13年間一度も会ってねぇし
記憶だってねぇんだぞ?
そんなの本当の家族って言われても ピンとこねぇし…」

「会えば ピンとくるかもしれないじゃない…」

また

涙を流す母親…

「ああ もう…」

そして

また 両手でぬぐう宏史…