ぜんぶはじめて



すると、

「あっれぇ〜♪美紀ちゃんと南ちゃんだぁ☆おはよぉ〜っ」

楓が走りながら言った。
南は露骨に嫌そうな顔をして、


「げっ!!!でた!!」


私は笑いながら
「あ〜……おはよ」


するとまた楓は

「あっれぇ〜♪美紀ちゃん目腫れてるよぉ〜?悠と喧嘩ぁ〜?昨日はラブラブで帰ってたのにぃ〜…本当っ…」


と…言いかけた時
南がすかさず

「違いますぅ〜…美紀は陸斗と喧嘩したんですぅ〜」


私は、しまったと思った。


南は楓が、りっくんの事を好きだと知らなかった。


それを、聞いた楓の顔が怪訝な顔になる。

「………どういう事?」


「あのね〜っ」

と言いかけた時、私はすかさず

「あ〜っ……南!!遅刻するよっ!!!」

南は時計を見て
「あっやばいじゃん!!!楓じゃあねぇっ!!!」


私は、なんとか一安心した。