ぜんぶはじめて



…着信音…
悠だった。


りっくんは、私から離れると

「………でないの…?」
と言った。


…はっ?
ちょっと待ってよ…


「……っ…こんなっ…こんな事して平気でそんな事言わないでよっ……」


涙が出て止まらなくなった。

悠を裏切った罪悪感と
りっくんに裏切られた絶望感が私の心をいっぱいにした。


りっくんを、押して部屋を出て、すぐ自分の家に戻った。