「今日、聡さんの彼女に……睨まれちゃったわ」


気だるい余韻の中、結衣は腕枕をする聡を上目使いで見た。


「そんな馬鹿な」


少し驚いた様子で聡が言う。


「本当よ。今日のお昼、職員食堂で。間違い無いわ」


「敦子が君を睨むはずは無いよ。現にオレが君のことを敦子に言った時も……」


「言った時も?」


「うん、受け入れてくれたんだ。『オレの好きにしていい』、って」


「じゃあ、ちゃんと別れてくれたのね?」


喜びを隠せない様子で、結衣は聡の胸に抱きついた。