「今の敦子に味方はいないわ」


「まさか……結衣ちゃんからのメール……」


「そう、わたしが送ったわ。聡さんにも、会社の人にも。睡眠薬を飲んで眠ってる結衣ちゃんの携帯電話から、ね」


敦子は力無く膝をついた。


全てが京香の『思惑』だったのだ……。


「人望も恋人も失った今の敦子は嫌いじゃないわ」


敦子の瞳から涙が零れる。


「聡……」


「聡さんは敦子と会うたび、死んだ結衣ちゃんを思い出すわ。敦子が仕事を辞めるのが、聡さんのためよ」


敦子の口から悲しい鳴咽が零れた。