聡とはメールのやりとりだけだった。


会社ですれ違いざまに軽く会釈し合うことはあっても、会話することは無かった。


敦子への態度と違い、周りは聡に同情的だったが、正義感の強い聡は自分で自分を許せないでいるようだった。


結衣を守れなかったこと。


もし、聡がわたしと二人で会ったり話したりすれば、聡は結衣のことを思い出し余計に自分を責め辛くなるのだろう。


それでも優しい聡は、孤独な元恋人を気遣いメールをくれる。


そんな優しさに敦子は甘えてしまう。


孤独だからこそ、聡の優しさが身に染みる……。