「どうして……」


敦子は愕然とする。


結衣はもっとしたたかで、計算高い女のはずだ。


半年以上、お互いに聡の愛を手に入れようと必死だった。


だからこそ、結衣はわかっていたはずだ。


死んでしまったら聡との幸せを永遠に失うことになる。


結衣が睡眠薬を飲んだ時だって、本気で死ぬつもりなんかなかったはずだ。


結衣の気持ちは手に取るようにわかっていた。


何故、聡と暮らし始めたばかりの『今』なのか?


何故、死を選ぶのか?


敦子は結衣の気持ちを推し量ろうと、メールのその短い文字を黙って見つめていた。