「聡の幸せの邪魔なんかしない。だから……お願い、2番目でもいいから愛して欲しいの」


敦子は力を込めて、愛しい男を抱きしめる。


「聡以外、何もいらない」


聡はうちひしがれた敦子を守りたいと思う。


そんな自分を押し殺すように小さく言った。


「敦子に……そんなことを言わせて、ごめんな」


敦子が首を振った時、大粒の涙が頬を伝った。


「どうして……こんな風になっちゃったのかしら……」


聡の胸に愛しさが込み上げる。


聡はその胸に強く、敦子を抱き寄せた。