バスには、出張風やら学生風が疎らに乗っている。
私は、毛布にくるまると眼を閉じた。
体が休まらない。無暗に体を捩ったり揺するが、なかなか寛げる体勢にならない。
ペットボトルに汲んできた水道水で、睡眠導入剤を流し込む。

翌朝、東京駅に着いた。バスから降りた途端に、眠気がどっとくる。
立ち食い蕎麦屋の前を歩いたら、吐き気がした。
缶コーヒーを飲んで、薬を水で流し込む。
ぼんやりとしたままだ。
私は、電車で埼玉を目指した。
40分ぐらい揺られると、ある駅に着いた。