『喪失』
血塗られた姿
憔悴しきった顔
それは
盲目の世界で抗うことなく
そこにあった
いつも待ち続け
ずっと待ち続けた
あたしは
見て見ぬフリをしながら
そこにいた
日に日に憐れに
鞭打たれたが如くの傷痕
生きてるあたしは
その姿を見ながらも
なお無視し続けた
痛くて気づきたくなくて
同じ世界にいたのに
傷は自然治癒する
それは治癒力があるから
薬なんていらないよね
だから
骨となってしまったあたしを
目の前にしたとき
ああ あたしは死んだんだ
って思った
一度枯れた花は
もう咲けない
処方箋を与えなかった
あたしが悪い
血塗られた姿
憔悴しきった顔
人形と化したそれは
盲目の世界で抗うことなく
そこにあった
そして今
骨と化したそれは
死んだあたしを
意味している
