幽閉されし鏡


『水面花』

水面(みなも)に映った
自分の顔が嫌いだった



自然の中で清らかに
流れるこの川の水は

腐って淀んだあたしには
きれいすぎて眩しく輝き

あたしの黒さを際立たせる


ひとひらの若い紅葉が
あたしの顔に波紋を描く

きれいな紅とは言えない
形のいい葉とは言えない

あたしと同じ出来損ない



その出来損ないは水面に
落ちるとただ流された

ゆっくりと突出した岩を
避けながら流されていく

まるで水面で舞うかのよう



水面(みなも)に映った
自分の顔が笑っていた