グイッ……。 『…わっ……!!』 意気なり、私の手を引き ギュッ……。 『え、え?』 俊輔さんは私を そのまま抱き締めた。 『……しゅ、俊輔さん?』 『優奈、好きだ……』 私は、それ以上 口を開かなかった。 有り得ない展開に、目を見開いて横にある俊輔さんの顔を直視出来なかった。 まだ、春の終わり頃。 タンポポの白い綿毛がゆらゆら……揺れていた。