ラブソングが聴こえる

私はびっくりして、HARUの方に顔を向けた。


HARUは妖艶な顔をして私の唇に触れた親指を口元に持っていってペロッと舌でなめてい
た。



私はHARUの動作を見て驚いたのと同時に一気に体温が急上昇していくのが分かった。


「クリームついてたから。」


HARUは何回か見せてくれたあの暖かな目じゃなくて、その眼差しで何人もの女の人を虜にしてきたのだろう


朝露に濡れ朝日を浴びた葉のような艶っぽさと眩しさを持った瞳で私を見ていた。



「こっちにもついてる。」


そういって今度はさっきぬぐった反対側の唇の端をペロッと直接なめた。


「なぁっ…!!」


私はされるがまま。


固まった状態で彼を見ることしかできなくて、反抗の言葉なんていえなかった。