ラブソングが聴こえる

HARUと初めて二人っきりになった私はどう話しかけたらいいのかわからなくて、ずっと沈黙が続いてた。


気持ちはすごい焦ってたけど、ただ無言でパンを頬張っていた。


「このパンうまいなぁ」


HARUがぽつりと言ったけど、私は何の話題を出せばこの沈黙がなくなるか


そればかり考えていたから、少し返事が遅くなってしまった。


「…あっ。はっ！！はい。そうですね。おいしいですね。」


私が焦ってちょっと慌てた風にそう返すと


HARUはふっと微笑んだ後、淡々と話しかけてきた。


「紅茶は好き？」


「コーヒーの方がよかった？」


「ここのお店ベーグルもおいしいんだ」とか


「甘いものは好き？」とか


そんなたわいもない会話をした。