ラブソングが聴こえる

「どうしてこちらを見ない。」


そんな私を追い詰めるようにHARUが一歩近づいてきた。


私は金縛りにあったように身動きがとれなくてその場に座っていた。


後ろは使われてないセットが置かれてるから後ろにお尻をずらすことも出来なくてHARUと距離をとることが出来ない。


その間にもHARUは私の気持ちを知ってか知らずか一歩一歩距離を詰めてくる。


「熱でもあるのか。」


「顔が赤い。最近忙しいからなぁ。」


そんなことを言いながら。


私はドキドキと早く鳴る心臓の音を聞かれないために、一杯一杯の気持ちを気付かれないためにも


HARUに近づかれたら困るのにHARUからの視線を避けることしか距離を取る方法が分からない。