そうHARUは言い放つと私達に同意を求めるためか『ねぇ』という風にこっちを見てきた。


大御所の俳優さんはしかめっ面や苦笑い、私達新人は視線をさまよわせていた。


それを意見の一致と取ったのかHARUは静かに言い放った。


「彼女を起用することを大々的に宣伝してるから役は降ろせないが、タイアップは変えさせてもらう。」


HARUの言ったひと言は会議室に静寂を招いた。


みんなひと言も喋らず呆けた顔をしている。


プロデューサーに関しては目が飛び出るんじゃないかというくらい驚いた顔をしてもうその顔に色味はなく冷や汗なんかも出てきてる様だった。


その静寂を破ったのは意外にもプロデューサーだった。


困惑していてやっとお腹から絞り出せたという表現が当てはまるちょっと裏返った声で言った。


「えっ。ちょ…ちょっとHARU君??」


少し焦りも含んでいる感じだ。


「タイアップを代えるって……もうそれでレコーディングの予定も立ててるし曲も作っんんじゃないの??」