「彼女はまだなんですか??プロデューサー。」


「うん…。なんかさっき渋滞にはまったって連絡が…。」


気が弱そうなプロデューサーが答える。


『はぁぁぁ』


HARUが大きくため息をついた。


「それにしても遅すぎる。あのスタジオからは10分でここにつくぞ。明らかに時間守れてねぇじゃん。」


「撮影が長引いちゃって遅れるってその前に連絡があっ…た…。」


最後の方は、ボソボソとしながらプロデューサーが答える。


「撮影って今日は打ち合わせだけだって聞いてたけど」


HARUは余計不機嫌になりながら言う。


スタッフはソワソワからオドオドに変わってきて、新人だろうと思える子はビクビクしている。


私はそこまで彼女の事を把握してるHARUに驚きながら付き合ってるから知ってて当然かとも思いながら事の成り行きを見ていた。


「もういい。俺、次も仕事あるんで早く打ち合わせ始めてもらわないと困るんですよ。他の皆さんもそうだと思いますし…。それに時間守れないってどんな役者だよ。」