手には小さな花を持って病院の中を女の子が1人駆けている。


ガラガラ


「ママ~。」


病室の中にはとても優しい顔で笑う女の人がベッドの上に座っていた。


女の子はそのベッドに駆け寄り満面の笑顔で話し出す。


「ママ~。あのね…今日ね…」



とたんに辺りが白くなり女の人の笑顔が逆光で見えなくなっていく。


私は、ハッとして目を開いた。


そこには見慣れた自分の家の天井があった。


夢…かぁ…


辺りを見回して自分の部屋だと脳が認識すると、寝てたはずなのに変な疲れが体を襲った。