「まぁ、お前が言いたくないなら別にいいけど、ちゃんと加奈とは話し合えよ。あいつ怒ってたぞ」

「ああ……分かってるよ。でも……」

「でも?」

「今は無理だ」

「そうか……」

「すまない……」

「何で謝るんだよ。別にお前が悪いことしたってわけじゃないだろ?」

もし、ここで「自分は悪くない。」と、言い切ったら、それは嘘になってしまうだろう。そこで京は、

「うーん……どうだろうな……」

と、曖昧な答えを出した。

「と・に・か・く、早く教室に行こうぜ。遅刻はしたくないからな」

「そうだな。行こう」

(加奈にどうやって話を切り出そうかな……)

京は心にモヤモヤ感を持ったまま翔太とともに教室へと向かった。