（ん？ ここはあまり人がいないな……）

裏道を通って出たところは普通の広場で、そこには砂場やすべり台、ブランコがおかれている。一目でそこが公園だとわかった。

｢こんなところに公園があったなんて……。それにしてもまだ昼時なのに誰もいないな……｣

誰もいないことが不思議に感じたが、自然と足がその公園へと入っていった。
京は誰もいない公園のブランコに腰掛け、ただ黙って下をうつむいたままボーッとしだした。


なにも考えずにただボーッとしていて気がつけば夜の８時。すでに陽は落ちて辺りは暗くなっていて、不気味な雰囲気が公園を包み込んでいた。

｢ねぇ……｣

｢え？｣

すると京の後ろから女の子と思われる声が聞こえてきた。京は何の躊躇もなしに振り向く。
そこには肩まである長い髪にくりくりとした大きな黒い瞳が特徴的な女の子が立っていた。
一言で言えば美人である。
しかもただの美人ではなく、かなりがつく美人である。身長は自分より少し低いぐらいで、見た感じ自分とあまり変わらない年齢であることが分かる。