ケータイには、『相田隆文』という字が浮かび上がっている。 ――相田…隆文? 俺はそんな奴知らない。 誰?誰だよ? まさか――… 「電話、出ろよ」 美空は震える手でケータイを手に取った。 「…もしもし…」 怯えたような、美空の声。 「…はい…はい…ごめんなさい…。隆文さんが…好きです…愛してます…」 美空は、泣きながらそう言った。 本心じゃない。 それは明らかだった。 美空が電話を切った後、俺は美空を問い詰めた。 .:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:.