私は一体、いつまで歩き続ければいいのだろう?
この真っ暗闇のなかに白く浮かび上がる一本道を。 道はまっすぐ、どこまでも続いている。
歩けども歩けども、先が全く見えない。
それにこの真っ暗闇では、いま自分がどこにいるのか、そしてどれくらい歩いたのかもはっきりわからない。
それでも、私は歩き続けている。 いや、歩き続けなければならないのだ。
この暗闇を抜け出す、その時まで。
私は何が何でも、ここから抜け出してみせる。
抜け出たその先にはきっと、“新しい人生”が待っているはずだから…。

私がなぜ、大量の睡眠薬をのんで床に就いたのか、その理由がわかる者は誰一人としていないだろう。
特に政党の連中は皆一様に首を傾げるだろう。
「あの先生が自殺!?どうしてまた…」
とね。
そうとも、君たちにはわかるものかね。
君たちの目には、首相の座に三度までも就き、その後は政党のご意見番として君臨し、“影の首相”とまで言われた、順風満帆の大政治家と映っているだろうからね。
だがね、私は何も好き好んで政治家になどなったのではないのだよ。 私には、もっと他にやりたいことがあったのだ。