バンッ

「いたぁ…。」

「ごっごめんなさい」

「私もよそ見してたからすみません。」

「怪我してませんか?」

「大丈夫でっ…いたっ…」

「はっ早く保健室に行かなきゃっ」

私は可愛らしい先輩とぶつかって足をくじいてしまったのだ。

「ごっごめんなさい。グスッ本当にごめんなさいっ私のせいで…」

「大丈夫です。失礼ですが先輩のお名前は?」

「夏川しおりです。」

私はすぐにピンときた。山ちゃんが好きなしおり先輩だってことを。

「私は…」

「たしか川崎美波さんですよね?」

「えっ?なんで知ってるんですか。」

「昨日ね山村くんと一緒に帰ってるの見ちゃったの。部活のみんなで付き合ってるのかな?なーんて噂してたのよ。山村くん私にはそっけなくて…そっそれなのに川崎さんには笑顔でもうわかりやすいのよね!山村くんに注意しといたほうがいいかもよ…アハハ」

「あのーしおり先輩?もしかして…」

「あっもしかして知ってたの?グスッごっごめんなさい!わっ私ね…ヒック私はあなたから山村くんとるつもりはないからッ!安心して…」

「いいんです。私と山ちゃんは付き合ってなんかいないんです。それに私には好きな人がいるんですよ。」

「ほっ本当に?」

「はい…。」

今の私はちゃんと笑えていますか?山ちゃんの役に立てていますか…。

山ちゃんやったね。しおり先輩と両思いだよ…