フラッシュバック

◆ 井戸の中・夜

大神少年は、涸れ井戸の底でやっと
意識を回復する。
井戸の上方を見る。
もう夜で、星と月が出ている。
月明かりで自分の手の甲の裂傷を見て驚く。

大神少年の独白「そうだ、
井戸に落ちたんだ……。
ああ、傷を手当しないと……!」

と、背のリュックを降ろし、
中からハンカチを取り出す。
それで、右手と口を使って、
左手の裂傷の辺りをくるむ。
そして、大声で叫んでみる。

大神「助けてーっ!!
ここだよー!! ここに居るよーっ!!」

しかし、なんの反応もない。

大神少年の独白「怖い……怖いよ……」