ウッ…クッ…


俺は、アニキ達に頭を下げるため、傷の痛みを堪えながら、ゆっくりと身体を起こす。


行動の早いアニキ達の事だ。

今回の件で、既に中山組に出向き、一悶着あったに違いない。


大小なりとも、迷惑をかけてしまっている。



すると、シュウイチさんが俺の肩を掴み制止した。


「まあ、そのままでええわ。」


普段から礼儀にはうるさいシュウイチさんが、身体を起こさなくていいと言ってくれた事に、俺は正直ホッとした。


どんな理由があるにしろ、揉め事を起こした責任は取らされると思っていたからだ。