「ピュアリスの脱税は会長が仕込んだものだったんだ。工場を買い取った際に裏で手を回していた暴力団と共謀して…

会長の息子で社長でもある山崎は猛反発したらしい。そんな事必ずバレてピュアリスを壊滅に追い込むだろうってね…

だけど会長は息子の言う事に聞く耳を持たなかった。

暴力団との、関係を断ち切る事ができなかったのだろうよ。」

専務のワインを飲むペースが少し速まる。


「俺は、山崎社長によく相談を受けていたんだ。

社員以上に親交が深いからな…

会長の暴走をなんとかして止めたいって、真剣に悩んでいたんだ。

俺は工場を手離す事を進めたよ。

でも、山崎は違う選択肢を選んだ。」


「違う選択肢…?」


「ああ、今はまだ言えないが、近いうち言わずとも分かるだろうよ。」