ベンチに戻ると、ミキ姉ちゃんの姿は見当たらなかった。
たかがジュースを買ってくるのにちょっと時間がかかりすぎたかな…
忙しいのに、私のために時間を割いてくれたのだろう…
私に限らず、人から頼まれると断る事ができない。
ミキ姉ちゃんはそういう人。
大きな総合病院といえど、看護師の数が不足しているーー。
以前、愚痴を吐くようにミキ姉ちゃんが言っていた。
それだけに、師長であるミキ姉ちゃんの仕事の量は普通では考えられな
いようだ。
せっかく休憩時間の空いた時間をほんの少しだけ借りる事ができたのに…
モデルの事。
夜の仕事の事。
そして、専務の事。
もっといろいろな事を相談したかった。
「自分自身が決める事…か…」
そう呟き、さっきまで座っていたベンチに腰を下ろした。



