「被告のその残酷かつ巧妙な手口………よって………」 里沙は遠くなって行く意識の中、法廷の扉に視線を移す。 もうすぐ…きっと…ケンジはやってくる… 証言してくれる… だって… 約束したから… いつでもリサの味方になってくれるって… その時、扉を見つめる里沙の腕を、二人の男が掴んだ 「えっ?!…イヤ!………離して! ケンジを… ケンジを呼んで!」 男達は、その場にしゃがみ込む里沙の身体を、半ば強引に抱え上げ、引きずるように外に連れ出して行く。