天使への判決



「小さい頃、両親に連れられて、那覇によく遊びに来てたんだよね

母の実家がここにあってさ」


専務は、昔を懐かしむような遠い目をした。


「爺さんが一人暮らしでサトウキビ畑やってて、ここに来る度、毎日おやつのようにかじってたよ」


専務の堀の深い鼻筋を見て納得した。

沖縄の血筋が混ざっているんだ。


「俺と有田が会社を起こした年に死んじゃって、畑は住宅地に変わってしまった」


「じゃあ、遺産がかなり入ったんですね」

「いや、その逆さ

今時、小さなサトウキビ畑なんかで生計を立てるなんて難しく、土地を担保に金を借りていたらしい

早く手放せばいいものを、莫大な固定資産税ばっかり払って、残ったのは借金だけだったんだよ

結局、税金を納めるだけ納めさせて、国の補助も受けれなかったんだ」