「あと、ナオキの件ですが……今、タツオ達が追ってます
…ええ
……その辺はわかってます」
ケンジは電話を切ると物思いに更けるように暫く中を眺め、大きくため息を吐いた。
上の人間から何か言われたのだろう。
ここ数日、ケンジに朝から仕事に出かけるような形跡は全くみられない。
電話でしきりに怒鳴ったり、謝ったりを繰り返す。
電話の内容から判断して、一応仕事をしているのは判るのだが……
嫌な胸騒ぎがしていた。
「朝食の支度できてるよ」
私の呼びかけにハッと振り返り、いつもの笑顔を見せるケンジ。
「いつも悪いな」



