「…っとに、朝から疲れさせないでよね」
私は、そう呟いてケンジの脇に腰を下ろした。
気持ち良さそうに寝息をたてるケンジ。
その寝顔を見ていると、彼がヤクザだということが嘘のようだ。
普段はチンピラ風情を丸出しのケンジだが、私といる時はまるで呪縛から解放されたかのように、無邪気な笑顔を見せる。
きっと、私だけじゃない。
多くの女はそのギャップに翻弄され、彼の虜になって行くんだ。
ケンジの短い髪の毛をゆっくりと撫で上げた。
昨夜どこで誰と会っていたのか…そんな細かい事はどうでもいい。
私といる時は私だけを見てね…
「キャッ!!!」
突然、私はベッドの中から伸びて来た手に手首を捕まれ、ケンジの胸元に引きずり込まれた。



