天使への判決


ケンジと一緒に暮らし出して1ヶ月が経とうとしている。



この1ヶ月の間、父と母の夢を頻繁に見るようになった。


ほとんど顔も声も覚えていないのに、二人はやけにはっきりと姿を現す。

何かを伝えようとしてくれているのか…

それとも、最近墓参りに行ってない事を怒っているのだろうか…



私は、横で気持ち良さそうに寝息を立てるケンジを見て、ため息をついた。

半ば諦めぎみのため息だ。


夕べ遅く帰ってきたケンジには、あからさまに女の形跡がある。


「お互い干渉しないこと−−」

ケンジが部屋に泊まる条件として私が提示したものなのに……

上手く利用された気がする。



…でも、そんな事にいちいち嫉妬するほど、私は男に不自由なんてしていないんだ。

自分自身にそう言い聞かせながら、私はトーストを焼いて朝食の準備をした。