「んで?お姫様、何処に運びましょうか?」
トラックのシートの脇にある小窓からは荷台を覗く事ができる。
そこに目をやると、荷台は向日葵の花で覆われていた。
「少しはロマンティックにできただろ?
この前お前にレクチャーされたからな」
ケンジが恥ずかしそうにはにかむ。
「本当は店に来たリサを驚かせたかったんだけど…
店長は写メを送ったっていうし、俺が着いた頃にはほとんどトラックに積んでやがるし…
思い通りには行かないもんだな」
そう言ってため息をつくケンジを見て、思わず笑いが込み上げてきた。
「降ろしたり積んだり、忙しすぎるわよ
…それに、そんな計画、上手く行く訳ないでしょ
私は店に住んでる訳じゃないのよ」
笑いながらそう言って、助手席のシートにふと目をやると、大きなボストンバッグが目に留まった。
私は咄嗟に映画でよくあるシーンを思い浮かべる。
マフィアが麻薬や現金を持って行方をくらますのだ。
「大きな荷物持って、海外にでも逃亡するつもり?」



