ケンジは運転席のドアを開けると無言のまま私の手を掴んだ。
「キャッ!」
そのまま、ひょいっと運転席のシートに引き上げられる私。
その拍子でケンジの膝の上で抱き抱えられる様な体制になった。
「ちょっと、何すんの!?」
「何が?」
「もしかしてこのままさらって行くつもり?」
「うーん……それも悪くないな
山奥で拉致監禁するか…」
サングラスの奥でつぶらな瞳を輝かせるケンジを見ていると、どこまでが冗談なのか判らなくなってくる。
そして、私の顔を覗き込むように見ながら、
「相変わらずイイ女だな」
そう言って私の頭に手を添えると、半ば強引に顔を引き寄せた。
「んっ…」
指先まで電気が走るような濃厚なキス…
口を塞がれた私は、全身の力が一気に抜けて行くような感覚を覚えた。



