天使への判決


一人になった広間で、重い腰を上げる。

憂鬱にさせる緊張感が込み上げながらも、俺は組長室へ一歩、また一歩と足を進めた。


広間からホールに出ると、やはりタバコの臭いが充満しているものの、組の連中は帰ってしまったらしく、俺が広間で一人呆けていた時間の長さを物語っていた。


エレベーターで5階に上がった一番奥の部屋まで行くと『組長室』と書かれた木目調の重厚な扉が目に入る。


学生の頃は、こうして度々先生に呼び出しを喰らったもんだ。


さしずめ此処は生徒指導室か…


『コンコン…』

ドアを軽くノックする俺の手には汗が滲み出ていた。


「どうぞ」

ドア越しに聞こえたシュウイチさんの声を確認して、俺は中に入った。