天使への判決



「シュウイチさんが組長室に来いってよ」

……

「ああ…」


俺は気のない返事をして、立ち上がった。



「ったく…お前はいいよなあ、シュウイチさんに可愛いがられて。

企業情報も2社もらったらしいじゃねえか。」



俺はハッとした。

2社の企業情報。

俺の入院中の荷物と一緒にヨウスケの車に置きっぱなしだ。
いろんな事が立て続けにあったせいだろう。

俺の頭の中は完全にそれどころではなくなってしまっている。


「なんでお前がその事を知っているんだ?」

少し戸惑いながら聞く俺を見て、タツヤは大きなため息をついた。


「お前が入院している間、シュウイチさんは会議で皆に言ってたよ。

5社の企業情報のうち2社は堅二に預けるってな。」

…まあ、お前が被害者なんだから当然って言えば当然なんだけど」


そう言いながらタツヤは俺の肩をポンポンッと軽く叩く。


「シュウイチさんってさ、自分の事は自分でやれってタイプだからな。

俺のシノギなんて殆どねえよ。」