朝戸の通夜の日が伝えられ、例会は終了した。
一度は『誰にも言わない』と心に決めナオキを逃がした俺だったが、シュウイチさんの今日の話しで心が揺れ動いているのがはっきりと分かる。
シュウイチさんにナオキの事を話せば、俺の心の中は一気に楽になる。
「…なあ、堅二」
しかし、ナオキにとってはどうなんだろう…
ああは言ったもののシュウイチさんは総出でナオキの捜索にかかるだろう。
そして警察に引き渡すか…匿うか…
「…おい!堅二聞いてんのか?」
ナオキを警察に引き渡せば中山組との抗争に発展する可能性がある。
ナオキを匿えば抗争はおろか、下手したらナオキは中山組に殺られる可能性もある。
「おい!堅二!!!!!」
その声に気がついた俺はビクッとして声の方に目をやった。
タツヤが怪訝な顔で俺を見つめている。
「なあ?ホントにお前大丈夫か?」
タツヤに言われて周りを見渡すと既に俺とタツヤ以外の人間は広間から退出していた。



